英語学習を始めようと思ったとき、最初にぶつかるのが「何から手をつければいいのか分からない」という悩みです。
『英語上達完全マップ』は、音読や瞬間英作文などを組み合わせ、英語を身につけるまでの学習方針や進め方を示してくれる本です。
私も英語学習を始めた頃にこの本を読み、約1年半、内容を参考に勉強しました。学習の方向性を決めるうえで役立った一方、実際に続けてみると、学習量の多さや内容の古さを感じる部分もありました。
この記事では、実際に取り組んだ経験をもとに、『英語上達完全マップ』の内容やメリット・デメリット、どんな人に向いているのかを紹介します。
『英語上達完全マップ』とは?
『英語上達完全マップ』は、英語を身につけるための学習方針やトレーニングの進め方をまとめた本です。
一般的な参考書や問題集とは異なり、問題を解くための本ではありません。どのような学習を、どのような順番で進めればよいのかを示してくれます。
本書は4部構成になっており、英語学習に対する考え方や具体的なトレーニング方法、学習を続けるためのポイントなどが紹介されています。
「何から始めればいいのか分からない」「これまでの勉強で手応えを感じられなかった」という人が、今後の学習方針を決めるために役立つ本です。
※『英語上達完全マップ』の詳しい内容や現在の価格は、以下から確認できます。
『英語上達完全マップ』のメリット
①英語学習の道しるべになる
英語学習を始めたばかりの頃は、どの教材を選び、どのような順番で勉強すればいいのか迷ってしまいます。
『英語上達完全マップ』では、英語を身につけるまでの学習の流れが示されているため、次に何をすればいいのか迷わずに進められます。
②実践者の記録が多く参考にしやすい
『英語上達完全マップ』は、実際に取り組んだ人の学習記録が、インターネット上に複数公開されています。
「英語上達完全マップ やってみた」と検索すると、実践した期間や使用した教材、学習時間、途中で苦労したことなどを詳しくまとめた記録が見つかります。
本を読んだだけでは分かりにくい実際の進め方を知るうえで、こうした体験談は参考になります。
③費用を抑えて取り組める
『英語上達完全マップ』が基本としているのは、教材を使った独学です。
必要になるのは本や問題集などの教材費が中心なので、英会話教室やスクールに通う場合と比べて、かなり費用を抑えて取り組めます。
ただし、独学では学習を管理してくれる人がいません。勉強を続けるために必要だと感じた教材やサービスには、無理のない範囲でお金を使うことも大切です。
④英語を口に出す学習法を重視している
学校の英語学習では、文法や読解など、机に向かって取り組む勉強が中心でした。
一方、『英語上達完全マップ』では、音読や瞬間英作文など、英語を実際に口に出すトレーニングを重視しています。
読み書き中心の勉強で思うように伸びなかった人でも、これまで十分に鍛えられていなかった力を伸ばすきっかけになります。
『英語上達完全マップ』のデメリット
①英語学習に近道はないと思い知らされる
『英語上達完全マップ』では、英語力を短期間で劇的に伸ばすような、特別な方法はないとはっきり書かれています。
効率のよい勉強法や裏技を期待している人にとっては、厳しい内容に感じるかもしれません。
ただし、英語学習に近道はないと納得できれば、簡単な方法を探し続けるのをやめて、目の前の勉強に集中できます。
②独学なので継続が難しい
『英語上達完全マップ』は、基本的に一人で学習を進めることを前提としています。
スクールのように授業の時間が決まっているわけではなく、勉強するかどうかは自分次第です。疲れている日や忙しい日は、そのままサボってしまうこともあります。
続けるためには、学習する時間や場所を決め、自分なりのルーティンを作る必要があります。
③内容や紹介教材に古さを感じる
『英語上達完全マップ』は刊行から年月が経っているため、紹介されている教材や学習環境には古さを感じる部分があります。
現在はスマートフォンやアプリ、動画など、当時より便利な学習手段が増えています。そのため、本に書かれた方法をすべてそのまま実践するのではなく、現在の環境に合わせて教材やツールを選ぶ必要があります。
ただし、本書の中心にあるのは、基礎から順番に学び、地道なトレーニングを積み重ねるという考え方です。こうした考え方は、時代が変わっても英語を身につけるうえで欠かせません。
『英語上達完全マップ』を1年半実践した結果
学習開始~3か月:音読と中学英文法
学習を始めたばかりだったこともあり、この時期は特に意欲的に取り組んでいました。
まず取り組んだのは、音読と中学英文法のやり直しです。なかでも、最初に中学英文法の基礎を固めたことは、その後の英語学習を支える土台になりました。
もし基礎が曖昧なまま先へ進んでいたら、その後の瞬間英作文や英文読解でもつまずいていたと思います。振り返ると、この時期が英語学習における最初の分岐点であり、最も重要な段階でした。
中学英文法のやり直しには『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル』を使いました。
3か月~半年:音読と瞬間英作文
中学英文法の基礎を学びながら、音読と瞬間英作文にも取り組みました。
それまでの英語学習は、英文を読んだり問題を解いたりすることが中心で、英語を口に出す練習はほとんどしていませんでした。
瞬間英作文に取り組んでみると、文法を理解しているつもりでも、英語がすぐに口から出てこないことに気づきました。「英語を知っていること」と「実際に使えること」の違いを実感した時期です。
半年~1年:中級瞬間英作文と高校英文法
中学英語の基礎を固めた後は、少し難しい瞬間英作文と高校英文法に取り組みました。
扱う文法や英文が難しくなり、学習の負荷が一気に上がった時期です。特に瞬間英作文は、簡単な英文でもすぐに口から出せず、思うように進まないことが何度もありました。
この頃からは、語彙を増やすためにDUO3.0も使い始めました。例文を通して単語や熟語をまとめて覚えられるため、その後も長く使った教材です。
1年~1年半:多読と英文法書
この時期は、多読と英文法書を中心に勉強しました。
多読では簡単な本から始めましたが、英語だけで一冊読めたときは、自分の成長を実感できてうれしかったです。
一方で、『一億人の英文法』のような難しい文法書には苦戦しました。内容を理解するのに時間がかかり、勉強すること自体を苦痛に感じることもありました。
1年半以降:TOEIC対策へ移行
『英語上達完全マップ』を参考に学習を続け、TOEICでは600点ほどまで到達しました。
しかし、1年半ほど経った頃から、英語力全体を伸ばすことよりも、まずはTOEICのスコアを上げたいという気持ちが強くなりました。そこで、文法問題集や公式問題集を使ったTOEIC対策へ切り替えました。
『英語上達完全マップ』は、TOEICの点数を短期間で上げるための本ではありません。時間をかけて、英語を実際に使える力を身につけることを目標としています。
そのため、すぐにTOEICのスコアが必要な人には、少し遠回りに感じると思います。
私自身は途中でTOEIC対策へ切り替えましたが、それまでに身につけた基礎力や学習習慣は、その後の勉強にも生きています。
TOEIC対策へ移行してから取り組んだ『文法特急』の使い方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
『英語上達完全マップ』が向いている人・向いていない人
向いている人
『英語上達完全マップ』は、英語学習を何から始めればいいのか迷っている人に向いています。
特に、短期間の成果よりも、基礎から英語力を積み上げていきたい人には参考になる本です。
音読や瞬間英作文など、これまであまり取り組んでこなかった学習法を試したい人や、スクールに通わず独学で勉強してみたい人にも合っています。
向いていない人
『英語上達完全マップ』は、短期間でTOEICのスコアを上げたい人には向いていません。
本書が目指しているのは、試験対策に特化することではなく、時間をかけて英語を使える力を身につけることです。そのため、資格試験の期限が迫っている人には遠回りになる可能性があります。
また、学習量が多く、基本的には独学で進めるため、自分で勉強を続けるのが苦手な人には、学習を続けること自体が難しく感じられるかもしれません。
英語学習の進め方に迷っていて、基礎からじっくり取り組みたい人は、『英語上達完全マップ』を一度読んでみてください。
英語上達完全マップを続けるコツ
『英語上達完全マップ』では、音読や瞬間英作文、文法、語彙など、さまざまな学習に取り組みます。
すべてを一度に始めようとすると負担が大きくなるため、私が実践するなかで意識していたことを3つ紹介します。
①同時に進める教材は2つまでにする
一度に多くの教材へ手を広げると、どれも中途半端になりやすいです。
私の場合、同時に進める教材は2つまでに絞るようにしていました。取り組む内容を減らすことで、一つひとつの教材に集中しやすくなり、毎日の学習も続けやすくなります。
②本と同じやり方にこだわりすぎない
『英語上達完全マップ』に書かれている教材や学習ペースを、すべてそのまま再現する必要はありません。
紹介されている学習の目的や流れを押さえたうえで、自分のレベルや興味に合った教材へ置き換えても問題ありません。
自分に合わない教材や学習法を無理に続け、英語学習そのものが嫌になってしまっては本末転倒です。
③休む日を作る
学習を始めたばかりの頃は、やる気があるため毎日でも続けられます。
しかし、英語学習は長丁場です。無理をして疲れがたまると、勉強そのものが嫌になってしまうこともあります。
あらかじめ休む日を作り、無理のないペースで続けることが大切です。著者も、学習を継続するために休みを取り入れることを勧めています。
まとめ
『英語上達完全マップ』は、英語学習の道筋を示してくれる本です。
英語学習に近道はありませんが、最初に進む道を決められれば、迷って教材を渡り歩く時間を減らせます。
私も約1年半実践し、この本を通して英語の基礎と学習習慣を身につけることができました。途中でTOEIC対策へ切り替えましたが、それまでに積み上げたものは、その後の勉強にも生きています。
短期間でTOEICのスコアを上げたい人には向きませんが、何から始めればよいか迷っていて、独学で基礎から取り組みたい人には、一度読んでほしい一冊です。